フランス旅行といえば、エッフェル塔や美術館、美味しいパン……。
でも実際に行ってみて感じたのは、「観光名所だけじゃない小さな体験こそ、心に残る」ということでした。
フランスやヨーロッパ旅行。限られた日数の中でも、現地の暮らしを味わいたくて、ちょっとだけ“暮らすように旅する”をいつも意識しています。
この記事では、そんなわたしが現地の暮らしを味わうためにやっている5つを実体験とともにご紹介します。
初めて行く方や、一人旅を予定している方の参考になればうれしいです。
1. 朝のマルシェを散策

朝のマルシェに行って、パンや果物を買う
フランスの朝は、マルシェ(市場)から始まります。
わたしが訪れたのは、リヨンの川沿いで開かれているマルシェ。
ホテルから少し歩いた先には、季節の果物や焼きたてのパン、新鮮なチーズがずらりと並び、地元の人たちでにぎわっていました。
観光地を巡るのとはまた違う、“暮らすような旅”を感じられるのがマルシェの魅力。
現地の人たちに混ざって歩いたり、パンや果物を買ってみるだけでも、日常のなかのフランスを体験することができます。お店の人たちが笑顔でお客さんとおしゃべりしていたり、常連らしき人が慣れた手つきで買い物している様子を見ていると、なんだか心がほっとあたたかくなるんです。
▼ マルシェを楽しむコツ
- 午前中の早い時間(9時〜11時)が◎
- エコバッグや袋を持参すると便利
- 値札がない時は、思いきって聞いてみるのも旅の思い出に
お気に入りのクロワッサンを買って、そのまま川沿いのベンチに座り、朝の光を浴びながらかじった時間は、今でも忘れられません。
フランスらしい朝を、観光に出かける前のほんのひとときで味わってみる。
それだけで、旅の密度がぐっと濃くなる気がします。
2. カフェで過ごす
カフェで一人のんびりする時間をつくる

フランスのカフェは、ただコーヒーを飲む場所ではなく、「自分の時間を楽しむ場所」のように感じます。
パリの老舗カフェでは、赤いテラス席と丸いテーブルが整然と並び、
おしゃべりをする人、新聞を読む人、携帯を見つめる人、タバコを吸いながら物思いにふける人など、
誰もがそれぞれのペースで思い思いの時間を過ごしていました。
観光で歩き疲れた午後、わたしもその一角に腰をおろして、
ただ通りを眺めているだけで、不思議と心が満たされていきました。
言葉がわからなくても、風の音やカップを置く音、人々の穏やかな表情を見ているだけで、
いつの間にか、自分もこの街の一部になったような気持ちになれます。
▼ カフェ時間を楽しむヒント
- ひとりでも気にせず入れる雰囲気のお店が多め
- 店員さんには「Bonjour」と軽く挨拶を。笑顔で応えてくれることが多いです
- テラス席は少し高めの料金設定ですが、フランスらしさを味わうならおすすめ!
カフェの椅子にただ座って過ごす時間は、スケジュールをこなすことが目的になりがちな旅の中で、深呼吸をするような感覚でした。
観光地をめぐる合間に、“なにもしない時間”を自分に許してあげること。
それもまた、旅を豊かにしてくれる大切な過ごし方だと感じています。
③ 美術館をじっくり巡る
美術館は“ひとつだけ”。静かな空間で自分の感性と向き合う。

ルーヴル美術館やオルセー美術館をはじめ、フランスには魅力的な美術館がたくさんあります。
最初のころは「できるだけたくさん巡りたい」と思っていましたが、何度か足を運ぶうちに気づいたのは、
「たくさん見るより、ひとつをじっくり味わうほうが、心に残る」ということでした。
わたしが訪れたのは、リヨンにある静かな美術館。
有名な作品が並ぶわけではないけれど、建物の落ち着いた空気ややわらかな光、そして作品ひとつひとつが語りかけてくるような空間が、そこにはありました。
大きな美術館では「見逃さないように」と、つい足早になってしまいがち。
でも、小さな美術館では、気に入った作品の前で何分も立ち止まっていいし、窓の外をぼんやり眺めるだけでも、誰にも急かされることはありません。
“旅の途中で、自分のペースを取り戻せる場所”
そんなふうに感じられる、静かでやさしい時間でした。
▼ 美術館をゆっくり楽しむヒント
- 1日につき「1館だけ」にすると、疲れにくく、記憶にも残りやすい
- 有名どころは事前にオンラインチケットを予約しておくと安心
- 「全部見よう」とせず、気になった作品をじっくり味わうのがおすすめ
- 小さな美術館も意外な穴場。街の個性や暮らしを感じられる場所です
たくさんの名所をまわる旅も素敵だけど、「この1日、この場所を味わえたことが嬉しい」と思える時間があると、旅がもっと愛おしくなります。
4. ローカルスーパーやドラッグストアでお土産探し
観光より楽しいかも?フランスのスーパーで、宝探しのようなおみやげ選び

わたしが観光よりもワクワクする場所——それは、「ローカルスーパー」。
観光地のショップよりも、スーパーにはその国の“ふだんの暮らし”がぎゅっと詰まっていて、歩いているだけでなんだか楽しい気持ちになります。
おみやげ探しにおすすめなのは、フランス全土にある「Monoprix(モノプリ)」。おしゃれで高品質なアイテムが揃っていて、現地の人にも旅行者にも人気です。
普段使いには、価格帯が少し抑えめな「Carrefour(カルフール)」も◎。
たとえばワインコーナーには、数百種類もの銘柄がずらり。
お菓子や紅茶、キッチン雑貨も種類が豊富で、見て回るだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます。とくにおすすめなのは、エコバッグ・マルセイユ石けん・ハーブティー・クッキー・チョコレートなど。軽くてかさばらず、日本でも使える“センスのいい日用品”が揃っています。
また、「pharmacie(ファルマシー)」と呼ばれるドラッグストアでは、肌にやさしいマルセイユ石けんや、ラロッシュポゼ/アベンヌなどのスキンケアブランドが、驚くほどお得な価格で手に入ります。
▼スーパー&ドラッグストアでのおみやげ探しポイント
- お菓子・ハーブティー・日用品は“安くてかわいい”おみやげの宝庫
- Monoprixは見た目もおしゃれ。プレゼントにも◎
- 早朝や夜は混雑しがちなので、昼の時間帯が狙い目
- 「どれが人気?」と店員さんに聞いてみるのも、旅の思い出に
観光地で買う定番のおみやげも素敵ですが、ローカルスーパーで見つけた日用品は、ふとした瞬間に“あの旅の空気”を思い出させてくれます。
おみやげ選びに迷ったときは、ぜひスーパーやドラッグストアをのぞいてみてください。
思いがけず、自分へのとっておきのプレゼントに出会えるかもしれません。
5. 街を楽しむ
なんでもない通りを“歩くだけ”の時間をもつ

ガイドブックには載っていない、なんの変哲もない通り。
でも、そんな場所をただ“歩く”時間が、旅の中でいちばん心に残ったりします。
パリの朝、観光に向かう途中でふと寄り道した、住宅街のような通り。
並ぶ建物の窓にはレースのカーテンが揺れていて、
玄関先には誰かが昨日買ったパンの袋がちょこんと置かれていたりします。
おしゃれでも映えでもない風景に、“人が生きている”空気がちゃんと流れていて、
その空気をすこしだけ分けてもらうような気持ちで、ゆっくり歩きました。
観光地を回るのもいいけれど、何もない道をただ歩くと、
自分の五感がじわじわと目覚めていくような感覚があります。
▼“ただ歩く”を楽しむヒント
- 地図アプリをあえて閉じて、気の向くままに進んでみる
- 静かな時間帯(朝や夕方)に歩くと、暮らしの気配を感じやすい
- 気になるお店やパン屋さんを見つけたら、迷わず入ってみる◎
- ときにはスマホをしまって、“歩くことだけ”に集中してみるのもおすすめ
旅の中で予定をつめこんでしまうと、「この景色、もっと味わいたかったな」なんて思う瞬間が増えてしまいます。
だからこそ、“目的のない時間”を自分にプレゼントすること。それが、その国でしか出会えない「空気」や「気配」を感じる一番の近道だと思っています。
まとめ

フランス旅行では、有名スポットを見るのも楽しいけれど、 「自分だけの旅の時間」を持つことで、旅はもっと豊かになると感じました。
この記事が、あなたのフランス旅のヒントになれば嬉しいです。「わたしはこれをやってよかった!」という経験があれば、ぜひコメントやSNSで教えてください🌿